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お屠蘇(とそ)の意味、作り方、作法とは【飲む順番にも深い意味あり!】

   

お屠蘇(おとそ)の意味は?」と聞かれると、「お正月に飲むもの」という認識はあるものの、「なぜ飲むの?何が入っているの?日本酒じゃなかったの?詳しくは分からない!」という方も多いのでは…?!

日本のお正月は新年が良きものであるよう願いを込める縁起物が多いですが、お屠蘇もその一つ。

この記事では、お屠蘇をお正月に飲む意味、お屠蘇の作り方、飲むときの作法などを徹底解説します。

「お屠蘇って年末にもらうイメージがあるけど…?!
「家族の中でも飲む順番が決まっている?」
「未成年は飲んでいい?」

こんな疑問にもお答えしていきますよ!

「最近のお正月はお屠蘇を飲んでいなかった」という方も、次のお正月はじっくりと味わいながら飲みたくなるかもしれません♪

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お屠蘇の意味

そもそもお屠蘇とは、無病息災や長寿を願ってお正月に飲む祝酒。

屠蘇散(とそさん)」と呼ばれる数種類の漢方薬のような生薬を漬け込んだお酒です。
みりんを使って飲みやすくする場合もあり、現代では日本酒を「お屠蘇」としていただくケースも増えています。

お屠蘇は、

屠る(ほふる)=鬼を葬ったり邪気を払ったりする
蘇る(よみがえる)=魂を目覚めさせる、一度衰退したものが再び盛んになる

という漢字から成り立っており、「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇らせる」という意味を込められたと言われています。

つまりお屠蘇は、新しく始まる一年の邪気を払い、長寿を願ってお正月にいただく縁起物のお酒であり、風習のことなんです。

お屠蘇の歴史・由来

もともとお屠蘇は中国で誕生しました。
三国時代の魏の名医・華佗(かだ)と言う医者が発明したと言われています。

その後平安時代(794年〜)初期に、中国の博士である蘇明(そめい)が使者として朝廷を訪れた際、絹の袋に入れた屠蘇散を献上し、お正月に天皇がお神酒に屠蘇散を浸して用いたのが、日本のお屠蘇の始まりです。

宮中の正月行事としてお屠蘇を飲むことが定着し、やがて一般庶民にまで広まりました。

江戸時代には医者が薬代の返礼にと屠蘇散を配るようになりましたが、これは現在でも、薬局等で年末の景品に屠蘇散を配る風習として残っている地域があります。

屠蘇散とは?

次に、お屠蘇を作る上では欠かせない屠蘇散について見てみましょう。

屠蘇散の中身

時代や地域によっても違いますが、一般的な屠蘇散に使われている生薬は以下の通りです。

生薬名 用部 主な効能
山椒(サンショウ) サンショウの実 抗菌、健胃
桔梗(キキョウ) キキョウの根 鎮静、沈痛
肉桂(ニッケイ) ニッケイの樹皮、シナモン 健胃、発汗・解熱、 鎮静・鎮痙、健胃
防風ボウフウ) セリ科ボウフウの根 発汗・解熱、抗炎症
陳皮(チンピ) みかんの皮 健胃作用
細辛(サイシン) ウスバサイシンの根 鎮咳、抗炎症
白朮(ビャクジュツ) キク科オケラまたはオオバオケラの根  利尿、健胃、鎮静

これらを数種類組み合わせたものが屠蘇散です。

上記のようにそれぞれ体に良い効能があることから、お屠蘇は風邪の初期症状にも効くと言われています。

屠蘇散はどこで買える?

屠蘇散の入ったティーバッグは、薬局・ドラッグストア、ネット通販で買うことができます。
年末になると、みりんや日本酒の景品でついてきたりすることもあります。

ご自分でお酒に漬け込まなくても「屠蘇酒」としての商品もあるので、チェックしてみてくださいね!

お屠蘇の作り方

お屠蘇は、屠蘇散をみりんor日本酒(もしくは両方を半々で)漬け込みますが、ここではみりんと日本酒を両方を使う作り方をご紹介します。

【材料】

・屠蘇散
・日本酒、本みりん 合計300ml 程度

【作り方】

①日本酒と本みりんをブレンドする。
(甘さと口当たりをみながら、お好みで調節しましょう)

②屠蘇散を5〜8時間浸す。
(屠蘇散に書いてある抽出時間を参考にしましょう)

③屠蘇散を取り出します。

※あまり長時間浸しすぎると、濁ったり沈殿物ができる場合があります。

ほのかな薬草の香りと、かすかな苦味があるくらいのお屠蘇がおすすめです!

地域によって違うお屠蘇

屠蘇散を浸すお酒も地域によって差があります。

関西では、日本酒+みりん+屠蘇散を合わせることが多いですが、関東より北では屠蘇散を使わず、日本酒をそのままお屠蘇として飲むこともあります。

また、その土地の地酒を使うことも多く、熊本では赤酒、鹿児島では黒酒を使ってお屠蘇を作っています。

お屠蘇の作法

お屠蘇をいただく際の昔ながらのお作法もあります。
地域や家庭によって違いはありますが、一般的な作法は知っておいて損はありませんよ!

屠蘇器とは?

現代の一般家庭には少なくなりましたが、お屠蘇をいただく際、正式には以下の写真のような屠蘇器(とそき)という道具を使います。

・銚子(ちょうし)… 屠蘇を注ぐ道具
・盃(さかずき)… お屠蘇を飲むための容器
・盃台(さかずきだい)… 重ねた盃をのせる台
・屠蘇台(とそだい)… 全ての道具をのせる台
※使用する際、水引の銚子飾りを銚子に結びつけます。

朱塗・黒塗・溜塗などの漆器製のものが一般的ですが、金属製や陶磁器製のものもあります。

お屠蘇を飲む順番

屠蘇器でお屠蘇を準備したら、おせち料理などのお正月料理を食べる前に、以下の手順でお屠蘇を飲みます。

①一家揃ったら、全員で東(日の出の方角)を向きます。

②最年長者が最年少者にお屠蘇を注ぎます。(飲む人の右側から注ぐのが昔からの形式。)

③最年少者が飲みます。(三段重ねの盃の場合は、小→中→大の順でそれぞれ1杯ずつ飲みます。略式で行う場合は1つの盃に3回に分けて注ぎ、3回に分けて飲みます。)

④「飲み終わった最年少者が2番目に若い人に注ぎ飲む」というように、年少者から年長者へという順で飲んでいきます。
※ただし厄年の人は、他の人に厄を祓う力を分けてもらうため、最後に飲みます。

飲む際は、それぞれ「一人これを飲めば一家苦しみ無く、一家これを飲めば一里病無し」と唱えてから飲みます。

年少者から年長者へという順で飲む理由は、若者の活発な生気を年長者が飲み取るという説があります。

未成年は飲んでいい?

お正月の祝酒と言えど、お屠蘇は「雑酒」に分類されるお酒未成年が飲むのはNGです。

お子様や運転する予定のある方が飲む場合は、アルコールを飛ばしたみりんで作りましょう。

盃を傾けて飲むふりをして、お正月行事を楽しむご家庭も多いです。

あとがき

この記事では、新しく始まる一年の邪気を払い、長寿を願ってお正月にいただく縁起物のお酒、お屠蘇について解説しました。

大事に語り継がれてきたお正月のお屠蘇、近年は少しずつ薄れつつもありますが、屠蘇散は実際に体にも良く、お屠蘇の独特の味は、身が引き締まるような風習でもありますよね。

屠蘇器を使わずとも、ご自宅の酒器で略式に行うのもオススメです。

年末年始はバタバタしがちですが、お取り寄せおせちで手間を減らし、お屠蘇を味わいながら新年に願いを込めてはいかがでしょうか。

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