世界の国々にも、おせち料理はあるのでしょうか?
日本ではお正月になるとおせち料理やお雑煮、お屠蘇など、お正月特有の料理をいただく習慣がありますが、世界の国ではどんな料理を食べているのでしょう?
この記事ではそんな疑問に答えるため、世界のおせち料理、お正月特有の料理をいくつかの国を例に挙げて紹介します!
多くの国のお正月料理に共通しているのは、新年がよきものであるよう願いを込めているということ。
厳かにゆったりと新年を迎える昔ながらの日本とは違い、華やかに賑やかに新年を祝う国があったりと、それぞれの国のお正月の様子を垣間見ることもできます。
世界のお正月料理を知ることで、その国の考え方、郷土料理を理解することにもつながりますよ!歴史や宗教が深く関係しているのも興味深いです。
「世界のお正月百科事典」 ウィリアム・D・クランプ 著 柊風舎
「由来からわかる日本と世界の行事図鑑」 山田慎也 監修 スタジオタッククリエイティブ
目次
アジアのおせち・お正月料理
アジアには、日本と同様に西暦の1月1日をお正月として祝う国、旧正月(1月下旬から2月中旬。年によって変わる)を盛大に祝う国、どちらの国もあります。
日本の中華街でも旧正月には爆竹が鳴り響いたり獅子舞が見られ、その盛大さを想像することができますが、中華圏の国(中国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、韓国、北朝鮮、ベトナム、マレーシアなど)は、旧暦の正月(春節)に重きをおいています。
中国
中国の旧正月に欠かせないのは、餃子、魚、年糕(ねんこう)です。
「餃子」は、大みそかに家族が集まって水餃子を作り、年が明けるころにゆでて、お祝いしながらいただきます。
具の中に硬貨やデーツを入れることもあり「硬貨入り餃子→幸運に恵まれる」「デーツ入り餃子→子宝になる」とされ、年末年始の行事として楽しむことも!
「魚」の中国語の発音(=yu)が「余剰」「利益」をあらわす中国語と同音であることから、魚料理も数多く並べられます。しかし「余剰や利益を食べ尽くしてしまう」ことのないよう、魚には手をつけない、という風習もあるようです。
「年糕(ねんこう)」とは、お餅のこと。一年成長したという意味の「年高」と読みが同じであるため、仕事と生活が年々高くなる縁起物とされています。
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韓国
韓国の旧正月(ソルラル)に食べられる伝統的なお正月料理は、プルコギとトック。
「プルコギ」は薄切り肉を醤油、ゴマ、ゴマ油、刻みニンニクにつけて炭焼きにしたもの。最近は日本でもよく食べられていますね。
「トック」は日本のお雑煮に似ています。あっさりしたスープに、ねぎや溶き卵、細長い棒状のお餅(トッ)を切って入れた汁物です。
フィリピン
フィリピンのお正月は日本と同様、西暦の1月1日。
かつてスペインの植民地であったことの影響も強く残っており、メディア・ノーチェ(スペイン語で「真夜中の夜食」の意)と言われるご馳走を、大みそかの真夜中から食べます。
メニューは、レチョン(豚のロースト)、アドボ(酢と香辛料で煮た鶏肉や豚肉)、カレカレ(すったピーナッツと飯でとろみをつけた濃厚なソースで煮込んだ牛肉)といったフィリピン料理の他、スペイン料理の影響を受けたエンブティード(ミートローフ)もよく食べられます。
インドネシア
国民の多くがイスラム教のインドネシアでは、1月1日は祝日でパーティーやパレードで新年のお祝いをしますが、特別な料理はありません。
インドネシアのイスラム教徒の人々にとって、日本のおせちのような伝統的料理は、ラマダン(断食行事)明けのハリラヤという期間に食べるレンダンという牛肉などをココナッツミルクと香辛料で煮込んだもの。レンダンは、2017年にはCNNよって世界一美味しい料理にも選ばれています。
ヨーロッパのおせち・お正月料理
キリスト教徒の多いヨーロッパでは、お正月よりクリスマスやイースターを盛大にお祝いする傾向があります。
そのため元日は祝日ではあるものの、日本の感覚は少し違うかも…。大みそかに家族や友人で集まり、カウントダウンをしながらにぎやかに新年を迎えることが多いようです。
イタリア
イタリアのお正月に食べられるのは、富と幸運の象徴であるレンズ豆。
それに加え、人生の豊かさを象徴すると言われている豚料理も多く作られ、その中でもコテキーノ(香辛料のきいたソーセージ)、ザンポーネ(豚のひき肉を詰めた豚足)がよく食べられます。
フランス
クリスマスを盛大にお祝いするフランスでは、その余韻が年末まで続き、大みそかの深夜からレヴェイヨン(「目覚め」の意)と呼ばれる祝宴が開かれます。
メニューは地域によって大きく異なりますが、ロブスター、カキ、エスカルゴ、フォアグラ、七面鳥、パン、果物、ワインなど、幅広い豪華な食事で、新年を明け方までお祝いするそうです。
スペイン
大みそかから家族が家に集まり、エビ、子羊、七面鳥のご馳走でお祝いし、新年はカヴァ、シャンパンなどのスパークリングワインやサイダーで乾杯します。
大みそかの真夜中にブドウを12粒食べて、翌年の12ヶ月全てに良いことがあるようにと、12の願い事をする風習もあります。
パーティー後の伝統的な朝食はショコラテ・コン・チュロス(ホットチョコレートと揚げ菓子)を食べ、元日は家族で過ごしたり、仲間を訪問したりして過ごします。
ドイツ
人々が集まる大みそか(ジルヴェスター)には、食卓には幸運を招くとされている鯉料理や乾し豆のスープ、ニシンのサラダ、バルボイシェン(レーズンやカランツ入りの生地を揚げたケーキ)などが並びます。
また、通常のプレッツェルよりも大きいノイヤースプレッツェルを食べるのも、「これから始まる1年をプレッツェルの穴から見渡す」という意味が込められているそう!
アメリカのおせち・お正月料理
アメリカは移民が多いため、民族的にも文化的にも様々。アメリカ全土共通のお正月料理はありませんが、祖先の母国の伝統食をお正月に食べてお祝いすることが多いです。
南部の州では、幸運の象徴である黒目豆を使った「ホッピンジョン」という料理を元日に食べるそう。黒目豆のほか、米、ベーコン、ハム、ソーセージ、トマト、豚の背脂と一緒に調理され、コーンブレッドやキャベツが添えられます。
その場合、黒目豆が硬貨、コーンブレッドが黄金、緑の野菜が紙幣に例えられ、金運アップを象徴した料理とも言われています。
アフリカのおせち・お正月料理
西暦の1月1日よりも、それぞれの文化固有の暦に沿った収穫祭や新年のお祭りごとに特別な料理でお祝いする国が多いようですが、西暦の元日も一つの節目として祝日になっている国は多いようです。
南アフリカ共和国
南アフリカもキリスト教徒が多く、クリスマスを盛大にお祝いするためお正月は控えめ。そして南半球に位置するため、お正月は真夏!
家族や友人と集まって、Braai(=バーベキュー)をする家庭が多いそうです。魚介や野菜よりも、ひたすらお肉を焼いて食べる!
外で楽しむお正月行事、真冬の日本のお正月との違いを感じますね!
中南米のおせち・お正月料理
大みそかから家族や友人と賑やかなパーティーで、新年をお祝いする国が多いです。
かつてスペインの占領下だった名残もあり、上記の「スペイン」で紹介した「12粒のブドウ」を食べる風習は、中南米諸国にも共通の迷信としてあるようです。
メキシコ
お正月もメキシコ料理の基本であるトウモロコシと豆を食べることが多いそう。
トルティーヤを使ったタコス(肉が入っている)、エンチラーダ(チリソースが入っている)ヤ)、ケサディーヤ(チーズを入れて揚げ焼き)、パヌーチョ(豆を入れて揚げ焼き)などを食べます。豊かな家庭は焼いた肉を食べることも!
アルゼンチン
「翌年も現在の仕事を続けられる」「よりよい仕事が見つかる」と言われている豆料理が多く食べられます。
他にも七面鳥、トゥロン(キャンディ)、パンドュルセ(ドライフルーツ入りの菓子パン)、夏季なのでアイスクリームを食べることもあります。
あとがき
人種、文化、宗教、気候は違えど、世界のお正月は郷土料理や豪華な料理を食べたりしながら、新しい年が良きものであるよう願いを込めることは、世界共通であることが分かりました。
お正月の過ごし方も国によって様々ですが、日本では旧年を無事に過ごせたことをお祝いし、新年を幸せに過ごせるように祈る一大行事。
世界の国々との違いを楽しみながらも、長く受け継がれてきたおせち料理を大切にいただきたいですね。
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㈱オージーフーズ おせち事業部
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