日本には昔から言い伝えられてきた「ことわざ」が数多くありますが、おせち料理にまつわることわざもたくさんあるんです。
ことわざから人生の教訓や風刺を学んだりした経験はありませんか?
皆さんの人生にも、実はことわざ文化が根付いているのでは?!
この記事では、おせち料理やお正月に欠かせないお餅、お正月にまつわることわざをたっぷりご紹介していきます!
目次
おせち料理にまつわることわざ
まずは、おせち料理やその食材にまつわることわざです。
田作りも魚のうち
(たづくりもうおのうち)
弱小で無力な者でも、仲間には違いがないこと。
田作りの材料であるカタクチイワシの幼魚に例えて「小さな魚でも、魚の仲間であることには違いはない」という意味からできたことわざです。
ごまめの歯軋り
(ごまめのはぎしり)
実力のない者がいたずらにくやしがったり、いきりたったりすること。
「小さな魚が歯ぎしりをしてくやしがったところでどうにもならない」ことに由来しています。
漢字で「鱓」「古女」と書くごまめは、別名「田作り」。
田の肥料にすれば四万俵だった収穫が五万俵になったことから「五万米」とも書きます。
這っても黒豆
(はってもくろまめ)
明らかに間違いと分かっても、自分の間違いを認めないで強情を張ること。
「床に落ちている黒い小さな物を見て黒豆だと言った人が、それが這い出して虫だと分かってもまだ黒豆だと言い張った」という話が由来。
羹に懲りて膾を吹く
(あつものにこりてなますをふく)
失敗に懲りて、必要以上に用心深くなること。
羹(あつもの)は熱い吸い物のこと。「熱い吸い物を飲んでやけどをしたことに懲りて、冷たい膾(なます)まで吹いて冷ます」ということが由来。
人の牛蒡で法事する
(ひとのごぼうでほうじする)
人の物を利用して自分の義理を果たすこと。
「他人が持ってきたごぼうを使って精進料理を作り、法事のもてなしをする」という意味からできたことわざ。
「人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)」ということわざの方が一般的によく使われる気がしますが、同じ意味です!
醬油で煮しめたよう
(しょうゆでにしめたよう)
白い布などがひどく汚れていること。
お煮しめのように、食材に醤油の色が十分染み込んだような茶色を表現することわざ。
醤油という言葉を使わず、「煮しめたような色の◯◯」という表現でもよく使われます。
海老で鯛を釣る
(えびでたいをつる)
あまり手をかけずに大きな利益を得ること。
このことわざのエビはお正月料理の伊勢エビのような大きなものではなく、小さなエビを指しています。
「小さなエビをエサにして立派なタイを釣る」ことの意味。「海老鯛」ともよく言われます。
腐っても鯛
(くさってもたい)
本当に優れているものは、多少落ち目になったり痛みがきてもそれなりの価値があるということ。
魚の王様である真鯛は、お正月の飾り物にも使われてきました。飾り物の鯛はお正月も過ぎた1月20日頃に焼いて食べる風習があり、腐りにくく多少臭気があっても食べられることに由来したことわざです。
お正月の餅にまつわることわざ
お正月に欠かせない「餅」にまつわることわざもたくさんあります。
「餅=縁起が良い」ことに由来したことわざが多いですが、その中からいくつかピックアップしていきます!
絵に描いた餅
(えにかいたもち)
何の役にも立たないもの。
「どんなにおいしそうでも食べることができない」ことからできたことわざで、「画餅(がべい)」とも言います。
餅は餅屋
(もちはもちや)
何事にもそれぞれ専門家がおり、素人はとてもかなわないということ。
餅は古代から貴重なものとして大切にされており、近世になってからは餅を専門に作る餅屋が現れました。「餅は自宅でつくより、餅屋がついたものが一番おいしい」という意味からできたことわざです。
餅に砂糖
(もちにさとう)
話が上手くでき過ぎていること。
砂糖も餅と同様、かつては大変な貴重品で、どちらも貴重なものであることから例えられるようになりました。
ついた餅より心持ち
(ついたもちよりこころもち)
品物をもらったことより、その心づかいが嬉しいということ。
対義語に「思し召しより米の飯(おぼしめしよりこめのめし)」ということわざもあります。
これは「思いやりのある言葉よりも実際に役に立つものをもらうほうが有り難い」という全く逆の意味です…!!
朔日ごとに餅は食えぬ
(ついたちごとにもちはくえぬ)
世の中はいつもいい事ばかりあるとは限らない。
正月に餅が食べられても、毎月の朔日(ついたち)に餅が食べられるわけではないという話からできたことわざ。
似たことわざに「いつも柳の下にどじょうはおらぬ」という表現があり、「一度うまく行っても同じ手でなかなか上手くはいかない」ことに例えられています。
お正月にまつわることわざ
最後に「お正月」にまつわることわざのご紹介!
「お正月」というおめでたさを意味するものだけでなく、その裏をかくような奥深いことわざも…。
一年の計は元旦にあり
(いちねんのけいはがんたんにあり)
何事も最初が肝心である。
「一年の計画は元旦にしっかり立てるべきである」というのがもともとの意味で、中国から来たことわざです。
一富士二鷹三茄子
(いちふじにたかさんなすび)
お正月の初夢で見ると縁起が良いとされるものを、良いものから順に並べた言葉。
江戸時代からのことわざで、徳川家に縁のある駿河(静岡県)の名物を並べたものとも言われています。
笑う門には福来る
(わらうかどにはふくきたる)
いつも笑顔で明るく暮らしている家庭には、自然に幸福が訪れてくるということ。
世界中には「笑いが健康によい」という意味のことわざは存在しているものの、「笑いが幸せを呼ぶ」という考えはほとんどなく、日本独特のものなんだそうです!
後から剝げる正月言葉
(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。
「正月言葉」は、お正月に使う体裁の良い上品な言葉を指します。
目の正月
(めのしょうがつ)
珍しいもの、貴重なもの、非常に美しいものを見て楽しむこと。
「目の保養」という言葉もありますが、同じ意味です。
門松は冥土の旅の一里塚
(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
お正月の門松はめでたいものだが、門松を立てる度に一つ歳をとり、死(冥土)へ近づいていく道標でもあるということ。
「一里塚」は、かつて全国の街道に旅するものの目印として一里ごとに作られた塚(土盛り)のこと。
「おめでたいものも異なる角度から見ると、全く違う面を持つ」という例えにも使われています。
盆と正月が一緒に来たよう
(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)
うれしいことが重なること。非常に忙しいこと。
「良いことが全部一度に揃うことはあり得ない」という反対の意味の「月雪花は一度に眺められぬ(つきゆきはなはいちどにながめられぬ)」ということわざもあります。
あとがき
この記事では数あることわざの中から、おせち料理やお正月にまつわることわざをご紹介しました。
ことわざに使われている言葉や意味から、昔の日本人の生活を感じたり、現代人の心持ちが昔の人と変わらない部分が多いのだと気付いたり、学ぶことも多いですよね。
全く逆の意味のことわざが存在しているのもおもしろい…!!
お正月を前に、ちょっと知見が広がった気がします!
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㈱オージーフーズ おせち事業部
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