「年越しそばを食べる意味って?」と年末にお蕎麦をすすりながら感じたことはありませんか?
大みそかのお蕎麦屋さんの行列も年末恒例の風景ですが、年越しそばの意味や歴史をしっかりと理解している方は、案外少ないのかもしれません。
現在は、年越しそばのアレンジレシピも多くあったり、そばではなく「年越しうどん」を食べたりする、という声もよく聞かれます。
この記事では、年末に欠かせない年越しそばについて、おせち販売歴20年以上の「とっておきや」が詳しく解説します!
「年越しそば」は、おせち料理と同様、新年への願いが込められています!ぜひ最後までご覧ください♪
目次
年越しそばの意味は?【子どもにも分かりやすく解説】
大みそかに食べるのが一般的な「年越しそば」ですが、年末にそばを食べる意味は、いくつかの説があります。
このように諸説ありますが、新しい年に希望を持つために願いを込めていることは共通しています。
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年越しそばはいつ食べる?
では、年越しそばは、いつ食べるのでしょうか?
多くの方々が「大みそかの夕食に食べる」「大みそかの日をまたぐ直前の23時過ぎに食べる」ケースが多いようです。
このように、実は年越しそばを食べるタイミングに、特に決まりはありません…!地域差や家庭差によるところが大きいのです。
また、福島県の一部の地域では、年が明けてからそばを食べるという習慣がある地域もあります。
ただし「一年の苦労や不運をを断ち切る」という願いを込める意味では、年をまたがないように、除夜の鐘が鳴り始めるくらいまでには食べた方が良いかもしれません。
地域のならわしや、家庭の事情によて食べる時間は異なりますが、新年への抱負を感じながらいただきたいですね♪
年越しそばの歴史は?
年末にそばを食べるようになったのは江戸時代
新年に希望のある願いを込めて食べる年越しそばは、江戸時代には定着していたと考えられています。
江戸時代後期の1814年に刊行された『大坂繁花風土記』には、以下のような記述があります。
十二月三十一日 晦日そばとて、皆々そば切をくろふ。当月節分、年越蕎麦とて食す。
さらに歴史を遡ると、江戸時代中期には、商人の家では月末にそばを食べる「三十日(みそか)そば」(=晦日そば)という習慣がありました。
これが徐々に年末の大みそかだけに食べられる「年越しそば」になったと考えられています。
また大みそかに食べるそばは、「晦日そば」「年越しそば」と呼ばれていますが、以前は「年取りそば」と呼ぶこともあったようです。
昔は正月を迎えると1歳年をとるという「数え年」が広まっていたため、年をとる前に食べるそば=「年取りそば」と呼ばれていたのです。
日本でそばを食べるようになったのは奈良時代以前
年越しそばが定着したのは江戸時代ですが、「そば」自体が日本で食べられるようになったのは、奈良時代以前と言われています。
そばの実のままお粥にしたり、そば粉をお湯で練って「そばがき」にしたり、お餅のようについて「そば餅」にしたりして食べられていました。
そばは保存性が高く、備蓄が可能であったため、飢饉の時などでも救荒作物として多くの人々の命を救いました。
そばがきやそば餅として食べられていた「そば」ですが、麺状になって食べられるようになった起源は、現状ではハッキリと分かっていません。
しかし、江戸時代中期の俳人だった森川許六による、俳文集『風俗文選』(1706年刊)では、以下のような記述があります。
蕎麦切といっぱ、もと信濃国本山宿より出て、普く国々にもてはやされける
「そば切り」の発祥地が本山宿(=今の長野県塩尻市)と書かれています。この時点で、すでに「普く国々に」広がっていたことが分かります。
ハレの日に食べる食材に!
祭りや行事のある特別な日である「ハレの日」は、縁起物を食べる習慣がありますが、赤飯やお酒、鯛などのほか、そばも縁起の良い食べ物として、食べられるようになりました。
年末に食べる「年越しそば」以外にも、「引っ越しそば」「出世そば」「棟上げそば」など、縁起をかつぐ各地の風習で食べられています。
地域によって違う?! 年越しそばの種類
温かいそば、冷たいそばなど、さまざまな食べ方がありますが、年越しそばの食べ方には特別な決まりはありません。
ここでは、地域色の強いそばの種類をご紹介します!
わんこそば(岩手県)
わんこそばは、岩手県花巻に伝わるそばの一種です。給仕さんがお椀に一口分のそばを次々に入れ、お客さまが椀にふたをするまで続ける方式が一般的です。
年齢と同じ杯数のわんこそばを食べる「年越しわんこ」の習慣もあったそうです。
越前そば(福井県)
越前そばは、福井県嶺北地方で主に食べられているそばで、風味が強く、黒っぽいのが特徴で、強力粉をつなぎにしているのでかための食感で歯ごたえがあります。
大根おろしが入った出汁をそばにかけたり、大根のしぼり汁に生醤油や出汁を加えたつゆにそばをつけて食べたりします。「おろしそば」とも呼ばれ、アレンジレシピも豊富です。
福井県で食べる多くの年越しそばが、この「越前そば」だそうです。
へぎそば(新潟県)
へぎそばは、新潟県魚沼地方で食べられているそばで、つなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使っているため、その他のそばと比べるとツルツルとした喉越しが特徴です。
また、ヘギといわれる器に盛り付けられています。全国でもへぎそばが食べられるそば屋さんは多数存在しているので、年末に豊かなそばの香りとツルッとした喉越しのへぎそばを求める人は多いです。
年越しそばは健康にもいい?!
ヘルシー食材の代表にも挙げられる「そば」ですが、健康を維持するためにサポートしてくれる成分がたっぷりです。
疲労回復
ビタミンB1・B2が、米や小麦などの他の穀物の2〜3倍含まれています。
これらは不足すると、疲労・体力低下・食欲不振などを招いてしまうため、体力が落ちている風邪の後などにもピッタリです。
そばのゆで汁であるそば湯には、栄養が溶け出しているので、最後のそば湯も一緒に楽しむと効果的でしょう。
暴飲暴食が続きがちな年末の食事ですが、胃を休めるために年越しそばを大みそかに食べるのは理にかなっているのかもしれませんね。
二日酔い・生活習慣病の予防
そばには良質なたんぱく質が豊富に含まれています。
このたんぱく質は、肝臓が解毒するためには不可欠であるため、二日酔いの時にもそばはおすすめです。
また、毛細血管を強化し、血圧・血糖値を下げるポリフェノールの一種であるルチンも含んでいるため、生活習慣病の予防にも効果的です。ビタミンCを含んだ野菜や果物と一緒に食べるとさらに効率的に働きます。
年越しそばのレシピ
※ご提供をお願いできますか?
(厳しければレシピを載せるのではなく、「レシピ」というキーワードをどこかに紛れ込ませます。)
【まとめ】年越しそばの意味は1つではない!
年越しそばを食べる習慣は、江戸時代には定着しており、その意味には諸説あることが分かりました。
年越しそばをなんとなく食べていた方も、その歴史的背景や、体に嬉しい栄養素の豊富さなど、そばの奥深さに驚かれた方もいるのではないでしょうか。
温かいそば、冷たいそば以外にも、トッピングできる具も色々あります!年末の年越しそばは、その意味を噛みしめながらいただいてみてはいかがでしょうか♪
㈱オージーフーズ おせち事業部
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