おせちの「昆布巻き」の意味は、「よろこぶ」という縁起のいい言葉の語呂が「こんぶ」に似ていることに由来しています
今回は、おせちに「昆布巻き」が入る意味・由来について、お答えしていきたいと思います!
目次
「よろこぶ」→「よろこんぶ」という縁起のいい語呂合わせで、お正月に欠かせない食品として”昆布”が使われています。
戦国時代から「打ち勝ってよろこぶ」という必勝祈願の食べ物とされてきたことから、おせちにも入れられるようになりました。
という訳で、昆布に込められている縁起の良い意味について、さらに詳しく解説します!
おせちに”昆布巻きが”入る意味・いわれ
昆布は昔、「ひろめ」と呼ばれており、幅の広い昆布の形状から「広布」と表され、それが音読みされて「こんぶ」となったといわれています。
ちなみに、結婚式のお披露目(おひろめ)は、この「ひろめ」からきているそうです!
そのため、昆布は縁起のいい食材として、お祝い事の贈り物でも使われてきました。
戦国時代では、「一に打ちあわび、二に勝ち栗、三に昆布」といわれ、「打ち勝ってよろこぶ」という願掛けにも似た、必勝祈願の大事なものだったといわれています。おせちに入る昆布巻きの意味は、戦いにのぞむために昆布を食べ、また、勝ちを祝してまた昆布を食べていたことに由来しているのです!
今でいう”トンカツ”のような存在だったんですね!
昆布の使い道は多種多様!
昆布は、昆布巻きとして食べる煮物だけでなく、「お正月の鏡飾り」にも使われています。
三方の上に昆布をひき、その上にお餅を載せる形をとっている地域もあります。地域によっては昆布をお餅の間に挟むような形をとるところもあるようです。正解はないのでしょうが、古くから伝わっている縁起物の一つとして、昆布は有数の食べ物です。
また、昆布巻きのかたち、「巻物」に注目してみます。
巻物は、知性の象徴としても知られていますよね。”巻物”とはむかしの”書物”のことで、その巻物の形状に似ているところから、「勉学、文化、教養を身につける」ことを表し、知識を豊富にもつことや頭がよくなりますように、という願いが込められています。
昆布の栄養
昆布の栄養素は食物繊維27.1%、糖質34.4%、ミネラル(灰分)19.6%、たんぱく質8.2%、脂質1.2%、水分9.5%(日本食品標準成分表2015版(七訂)より)で構成され、”食物繊維”と”ミネラル”が豊富に含まれています。
日本のだしの代表にもなっている昆布。うまみ成分が強いことで知られていますね。
うまみ成分のもとであるグルタミン酸は、昆布(まこんぶ可食部)100g中に1700mg含まれており(日本食品標準成分表2015版(七訂)より)、塩分を強くせずに美味しく感じることができます。
おせちの中の一品としての昆布巻きはそのものですが、「昆布だし」としてもおせちに使われます。数の子を漬け込む醤油に加えたり、煮物を炊く時のおだしとしてもうまみアップの素材として昆布は重宝されています。
昆布の栄養価
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | |
kcal | g | g | g | g | g | |
藻類/(こんぶ類)/まこんぶ/素干し | 145 | 9.5 | 8.2 | 1.2 | 61.5 | 19.6 |
※可食部100gあたりに含まれる成分 (日本食品標準成分表2015版(七訂)より)
昆布巻きってどうやってつくるの?~昆布巻きの作り方~
弊社がお世話になっているメーカー様が「鮭の昆布巻き」を作っていらっしゃる様子を見学させていただきました!ありがとうございます!
おせちやのおせち料理に含まれるのは「にしんの昆布巻き」ですが、ここはぜひ参考として、こちらの鮭の昆布巻きの作り方をレポートいたしますね。プロ直伝の技をご覧くださいませ!
材料
- 昆布 20枚(10cm)
- 鮭 3切
- かんぴょう 30~40g
- 水 適宜
- 酒 水の1/5
- 醤油 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
- みりん 大さじ3
作り方
1. 昆布とかんぴょうを水でもどす。
2. 昆布を約30分水にさらして柔らかくもどす。
3. かんぴょうは塩もみをし、水にさらす。
4. 鮭は腹骨とかたい部分を切り落として、皮についているうろこを取ったあと、昆布の幅に合わせて切る。
5. もどした昆布を適当な長ささにそろえて、鮭を巻き、かんぴょうで結ぶ。
6. 鮭を巻いた昆布を鍋に入れ、水と酒で全体がひたひたになるようし、強火にかける。
7. 昆布がやわらかくなるまで煮た後、水を昆布巻きの高さの2倍まで加える。
8. 煮汁が昆布巻きの少し上まで煮つまったら、砂糖とみりんを加える。
9. 煮汁が昆布巻きの高さよりも下になるくらいまで煮つめて、濃口醤油を全量の半分加え、落とし蓋をして5分煮る。
10. 落とし蓋をした状態で一旦火を止め、常温までおいておく。
11. 冷ました鍋を再度火にかけ、残りの醤油を加える。
12. 煮汁が昆布巻きの高さの1/4まで煮つまったらできあがり。
「こんぶの日」
昆布の日を調べたところなんと、「11月15日」でした!これってかまぼこと一緒じゃない?と驚き!!
その成り立ちは、やはり”七五三”。かまぼこもそのようないわれがあったので、同じく縁起物としては、似たようなところに紐づくものなのですね。
七五三は、こどもの成長を願って行う行事です。ですので、”昆布を食べてすくすく育ってほしい”という願いが込められて、この七五三の11月15日を「こんぶの日」として日本昆布協会が制定したそうです。
こんぶを食べると髪の毛が伸びる?
昆布を食べると、「髪の毛が黒々する」とか、「髪の毛が伸びる」などと言われましたが、それって本当なのでしょうか?私の父は昆布が大好きでしたが……??!!結構涼し気なヘアでした。
昆布などの海藻類には、ヨウ素やカルシウムなどのミネラル類が含まれています。ヨウ素を含んだ食品は、甲状腺の働きを良くして。”髪の毛の発育がよくなる”と言われています。
髪の毛の主な成分はたんぱく質なので、そのもの自体をよくするという働きはありませんが、たんぱく質源となる肉や魚と一緒に食べることで、”育毛効果が期待できる”と言われているのかもしれませんね。
おそらく食事はバランスが大事で、何を多くとったらよいということではなく、”なんでもバランスよく食べましょう”ということを昔の方は教えてくれていたのだと思います。
という訳で、みなさんも、健康のために食事のバランスを考えながら日々の生活を送ってくださいね♩
中井
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