「おせちの意味・由来・歴史」について解説致します!
おせち料理の「おせち」の意味は「お節供」からきています。また、おせち料理の意味には「日持ちのする料理を用意してお正月を過ごす」「お正月は年神様をお迎えしているので騒がしくしないようにする」という説があります。
今回は、おせち料理の意味や歴史、黒豆・伊達巻・かまぼこなどの定番の具材に込められた意味や込められた願い、お重箱が使われるけどなぜ?!という疑問にもお答えします!
お子さんでもわかるくらい、やさ~しく、くわ~しく、解説いたしますね。
おせち料理の意味と歴史
おせち料理の由来
おせち料理とは、”お正月をお祝いする料理”のことです。おせち料理は漢字で「御節料理」と書きます。御節(おせち)とは、御節供(おせっく)のことで御節供(おせちく)からきています。暦上の五節句すべて御節供であり、その時に食べる料理を御節供料理と呼んでいました。しかし現在では、その中でも年の一番初めに祝うお正月料理を『御節料理(おせち料理)』または『おせち』というようになっています。詳しくはこのあとでてくるおせちの歴史で説明しますね。
おせち料理を食べる意味
お正月におせち料理を食べる意味として、説が2つあります。
①日持ちのするおせち料理を用意することで、年中忙しい主婦をお正月くらいは家事から解放させる為という説
②お正月は神様(年神様)をお迎えしているので、台所で料理することで騒がしくしないようにする為という説
年の始めのお正月はとても大切な節目であると言えます。神様がいらっしゃる節目の間は料理をせず、「おせち料理」を食べて過ごす…。
昔から火がなければ料理できなかったことから、かまどの神様も大事にしてきていて、年に一度は火を使わずにかまどの神様にも休んでいただくという意味もあったといわれています。だから、おせち料理に詰められる食材は日持ちするものが多いんですね。
そして、それぞれの食材ごとに、その特長にちなんで一年の幸せを願う意味も込められているのが「おせち料理」というわけです。
現代的なお話しをすると、今となってはコンビニなど元日から営業しているお店が増えていますが、すこし前まではお正月の間は商店街がお休みで「食べ物を買いに行くことが出来ない!」といった事情もあったようです。
そのため、予め12月31日までに作っておいて、世間がお休みの三が日の間にゆっくり食べる料理が「おせち料理」というわけです。そういう背景もあり、日持ちする食材を選ぶ理由があったんですね。
今も昔も、おせち料理とは日本人にとって大切なお正月の食文化であるということがわかりますね!
おせちの歴史は弥生時代から始まった!?
おせち料理の歴史は長く、その誕生はなんと弥生時代まで遡るという説もあるようです!
弥生時代にはには稲作が始まり、人々は五穀豊穣を祈って暦の節目に神々にお供えをおこなってきました。そのお供えの食べ物のことを「御節供(おせちく)」と呼び、それがおせち料理の語源とも言われているようです。
暦の節目の中でも大事な日を「五節会(ごせちえ)」や「五節句(ごせっく)」といいます。
- 1月1日(元日)
- 3月3日(上巳)※「ひな祭り」ですね
- 5月5日(端午)※「こどもの日」ですね
- 7月7日(七夕)
- 9月9日(重陽)などを指します。
一部は今でもお雛祭りやこどもの日、七夕としてお祝いする習慣が残っていますね。その中でも、一年で一番重要とされる元日は別格とされ、今でもおせち料理を食べる習慣が残っています。
おせち料理の起源となる神々へのお供え物や食べ物は、もともとその土地で収穫されたものが中心だったようです。
江戸時代にこの文化が広まり、暮らしも豊かになるにつれて徐々にご馳走となり、今のおせち料理の原型となったようです。
最近では、海の幸や山の幸の食材にとどまらず、肉類からスイーツまで幅広い料理を楽しめるようになりましたね。今、私たちが様々なおせち料理から選び楽しめるようになったのは、昔の人々が感謝の気持ちを忘れなかったことに始まるんですね~!
古代の人々を始め、その文化を継承してきた日本人に感謝ですね!
お重箱の意味
おせち料理といえば、お重箱に詰めるイメージがありますね。
どうしてお重箱に詰めるかというと、「めでたさを重ねる」という意味を込めた縁起担ぎが由来となっているそうです。おせち料理はそれぞれ一品ずつにもそれぞれの意味があるのですが、実は料理を詰めるお重箱にも意味があるんです!
今回はよく見かける「四段重」と「三段重」について解説いたします。
四段重の場合
一の重
お正月の祝い事にふさわしい「祝い肴」を詰めます。
お正月の食卓に欠かせないお酒「おとそ」のアテにもなりますね。祝い肴である数の子・田作り・黒豆・たたきごぼうなどを詰めましょう。
二の重
「口取り」と呼ばれる甘めの料理を詰めます。お酒の飲めないお子様たちも一緒に楽しめるお重ですね♩
蒲鉾・伊達巻き・栗きんとんなどが定番人気です。
三の重
縁起のいい海の幸を中心とした焼き物を詰めます。
やはりお正月にはご馳走を食べたいですよね!鯛・海老・ぶりなど豪華にいきましょう!
与の重
ここで注目です!四段目のお重箱は「与(よ)の重」と呼びます。忌み数字である四の字は使わないように、との心づかいですね。
与の重には山の幸を中心に詰めます。「家族が仲良く結ばれるように」煮しめを入れましょう。れんこん・里芋・筍・くわいなどが適しています。
ちなみに「五の重」は控えの重で何も詰めないようです。これは現状が最高の状態でなく、今後まだまだ(幸を)詰められるということを表すそうです。
三段重の場合
一の重
先に紹介した四段重の時と同じく、一段目には「祝い肴(数の子・田作り・黒豆・たたきごぼう)」と「口取り(蒲鉾・伊達巻き・栗きんとん)」を詰めます。
二の重
焼き物と、酢の物を詰めます。
もともとは二の重には紅白なますなど酢の物を中心に詰めていたようですが、現在はご馳走とされる焼き物も詰めることが多いようです。
三の重
山の幸を中心に詰めます。
お重箱の意味も「諸説」あります。
おせちの歴史を大切に、意味や由来を理解した上で楽しむ気持ちこそが今後のおせち文化を作っていくのだと思います。
それぞれご家庭の得意な料理やお好きな料理を自由に詰めるのも個人的にはアリなのではないでしょうか。
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi-imi/925/
料理それぞれの意味
お重箱の意味を確認したところで、続いてはおせち料理の食材それぞれに込められた意味や由来をみていきましょう。来年のお正月の食卓で、ぜひ雑学としてご活用ください。もちろん「諸説あり」ですよ!(^^)/
ちなみに、各食材ごとにもっと詳しく紹介している記事がございますので、おすすめの関連記事へのURLも一緒に掲載しますね。これを読めばあなたもおせち博士!?
数の子
コリコリの食感が楽しめる数の子。ニシンの卵を贅沢に使った逸品ですね。卵の数が多いことから「子孫繁栄」を表します。金色もおめでたいっ!また、その昔北海道でニシンが豊漁だった時代はニシンの恩恵を大いに受けていたため、「魚にあらず、二親(にしん)のごとし」といわれていたそうです。二親(にしん)=ふたりの親=両親、ということで、「代々続く家が繁栄しますように」という想いが込められています。
祝い肴として、お重の一段目に詰めることをおすすめいたします。年末年始のお酒のおともにも人気の一品です。最近では松前漬けに入っている数の子も良く見ますね。コリコリパリパリ
▼数の子についてもっと深く知りたい方におすすめの記事はこちら
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/830/
▼また、私嶋添が数の子メーカー様を訪ねて北海道を一回りした旅路のレポートも書きました。産地の様子をご覧くださいませ。
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/blog/429/
田作り
片口イワシを田畑の肥料として使われていたことから「豊作祈願」を表します。
別名で、「ごまめ」と呼ぶ場合もあります。「五万米」や「五真米」と書いてごまめと読むそうで、ここでも田んぼに関わる願掛けがされているのが伝わってきますね!
また、「お頭付き」なので小さくても頭(リーダー)になれることも表します。
▼田作りについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/368
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/blog/535
たたきごぼう
ごぼうには様々な幸せの願いが込められていて、縁起物の食卓には欠かせない存在なんです。
地中にしっかりと根付くごぼう。その根を張る姿に、お家が堅牢である様を重ねています。細長いごぼうのように、末永く続く幸せを祈っています。
また、ごぼうの色が幸せを告げる伝説の鳥「黒い瑞鳥」に似ているため、「豊作祈願」や一年の無病息災を表します。
ちなみに、たたきごぼうの「叩いて開く」ということが開運を意味していますので、調理方法もたたきごぼうにするのがおすすめですよ!
▼たたきごぼうの意味や由来は・・・?
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/768/
蒲鉾
切り口が太陽を連想させます。「日の出」も表します。
紅は魔よけの力もあるおめでたい色、白は清らかな色、それぞれの色にも意味が込められています。色を交互に盛り付けると、お互いの色が引き立ちあってより華やかな印象になりますね!
▼蒲鉾好きなそこのあなた必見!
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/355
伊達巻き
見た目から華やかな巻物のイメージから、書物を表し知恵がついて賢くなるという意味もあります。
イケメン男性を「伊達男」なんて言ったりしますよね。「伊達な(華やかな)巻物」という意味を込めて「伊達巻」という説もあります。
賢くなるという意味と、伊達なという意味もあり、才色兼備な存在で面白いですよね。
▼スタッフが会社のキッチンで実際に伊達巻を作ってみました♩
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/14
栗きんとん
栗きんとんの色から金色に輝く財宝を表します。
また、「勝ち栗」として勝利を願ったゲン担ぎの意味もあります。
▼子供も大好き栗きんとん!詳しい意味や由来はこちら
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/644
紅白なます
人参の赤と大根の白を、紅白の水引に見立て「平和の願い」が込められています。お祝い事には欠かせない料理として添えられてきました。
砂糖と酢が入っていることから、箸休めの一品としてだけでなく、疲労回復としても効果が発揮される料理です。
▼おせちの口直しの紅白なます!紅白なますのメーカー訪問記はこちら
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/blog/osechi-tour/1809/
海老
長いひげと、「つ」の字のように腰が曲がった姿から、長生きすることを意味します。
海老を盛り付ける時は「つ」の字に並べると良いですよ!
▼海老がおせちに入る意味・由来を知りたい方へ♩
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/11
れんこん
れんこんには穴が開いているので、将来の見通しがいいことを表します。れんこんの穴から将来を見るイメージですね!
また、れんこんも子宝の願掛けの意味もあります。種が多いれんこんにあやかって子孫繁栄というわけです。
▼れんこんがおせちに入っているのはなぜ?そんな疑問にお答えします
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/665/
竹の子
竹の子は成長が早いことから縁起物を意味します。
当店のおせちでは「竹の子の土佐煮」として竹の子を使用しました。
▼スタッフが竹の子について熱く語る記事、そして産地訪問レポート記事もございます。こちらもおすすめ記事です!
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/184/
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/blog/17/
おせちやのおせちを個包装でお届けする意味
※写真は2020年金のおせち 形態より
当店、おせちの達人「おせちや」のおせちはそれぞれの食材を個包装で、冷蔵便でお届けしています。
実はこのお届け形態にも意味が込められているんです!!
おせちの意味を知りながら、ひとつひとつ食材の盛り付けをお楽しみいただきたい。
ご家族の皆様でご一緒におせちを盛り付けていただくシーンを想像しています。今後の未来に家族代々おせち文化を継承するには、そういうコミュニケーションが大切だと思うのです。
また、せっかく美味にこだわって厳選した食材ですから、配達途中に味移りしないようにするためにも個包装でお届けするのがベストだと考えています。
おせち企画がスタートした当初からのこだわりのスタイルです。
店主の高橋からのメッセージはぜひ下記記事をお読みいただけたら幸いです。
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/blog/kodawari/180
とっておきやのおせちはこちらから購入できます。
https://totteokiya.com/?pid=143794670
おせちにまつわるお話し番外編!
おせち料理に添えたい「祝い箸」
ちなみに、おせちを召し上がるのに「祝い箸」を使われるかたも多いと思います。
祝い箸は両端が細くなっている形をしていますが、それにも意味があったのをご存知ですか?
どちら側でも使える形をしていますが、自分が食べる側と、もう一方は神様が使うためと言われています。
神様と一緒に祝い事を祝うという意味があったんですね~。こんなところにも昔から神様と共に食べ物を作ってきたという痕跡があったと思うと、日本の食文化の歴史を感じずにはいられませんね。
おせちスタッフ思い出のおせち話
実は私が子供のころ、お正月におせち料理と一緒に欠かせないお楽しみの料理があったんです…。それは、お雑煮です!!
するめだしが効いたおすましにお餅をはじめ、しいたけや大根、鶏肉がたっぷりはいったお雑煮が大・大・大好きでした!おかわりするのでそれだけでお腹いっぱい・・。
子供のころは、おせち料理と一緒にお雑煮が食卓に並び、ついお雑煮で満腹になってしまって、デザート代わりに栗きんとんだけいただく・・。そんなお正月だったなぁ~と懐かく感じました。
私のふるさとは九州で、思い出のお餅は丸餅です。
このお餅の形、東日本は角餅が多く使われ、西日本は丸餅が多く使われるとよく聞きますよね。もちろん、この形にも意味があります!
丸餅は、角が立たないように円満であることを表すようです。一方の各餅は江戸時代以降人口が増加した為に一度にまとめて作れる角餅が広まっていったようです。
私は、今は関東地方で生活してますので、丸餅の雑煮も角餅の雑煮も両方いただきましたが、やっぱり餅は餅。両方とも大好きです!
ちなみに、お雑煮についてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。地域に根付いた違いがあって面白いですね~!
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/290/
あとがき
年に一度、お正月のおめでたい日にいただく「おせち料理」。日本文化を代表する料理のひとつですよね。意味や歴史、由来を理解した上で味わうおせち料理はまた格別ですよ!
来年の年始めにおせち料理を味わう時にこのブログを思い出していただいて、一緒にお楽しみいただけたら幸いです。
おせち料理の意味としては、年中忙しい主婦がお正月くらいはゆっくりできるようにするため、また、お正月は神様をお迎えするので騒がしくしないようにするためにおせち料理が食べられるようになったと言われています。
また、おせち料理の食材一つ一つにも意味が込められており、一年の幸せを願う大切なお料理である事が分かりました。
今度おせち料理を召し上がる際にはぜひ、ご家族やお子さんにおせちの意味や由来について語ってみてはいかがでしょうか。
ひょっとしたらここには書かれていないような説も飛び出すかもしれませんよ!物事の由来には、何事も「諸説あり」と言いますからね(笑)。もし、まだ私が知らない「こんな説やあんな説」がありましたら、ぜひお知らせくださいね~!
私たちも、おせち料理を提供する者として、次世代までこの文化を継承できるようなおせちを提供する義務と責任があると改めて感じました。身が引き締まる思いです!!
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!
今年も、弊社おせちスタッフが1月から企画している「金のおせち」販売をしております。昨年からアイテムを変更してバージョンアップしてお届けします!ぜひこだわりおせち、召し上がってくださいね。
全商品、自信をもってご紹介させていただいております。
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