甘いものが好きなら、お正月にスイーツでお祝いするのはいかがでしょうか?本記事では、お正月に食べたいおすすめスイーツを4つご紹介します。
今は伝統的な和風のおせちだけでなく、洋風や中華、スイーツおせちを用意するご家庭もめずらしくありません。いつもと違う料理で新年を祝うのも楽しいですよ!
目次
心も体も温まる【おしるこ・ぜんざい】
お雑煮はお正月の定番料理ですが、甘いものが好きなら「おしるこ」や「ぜんざい」はいかがでしょう。小豆には魔除けの意味があります。災いを避けて安全に暮らせるよう、願いを込めて食べましょう!
おしることぜんざいの違い
ぜんざいとおしるこはよく似た食べ物ですが、小豆の粒が残っているかどうかが見分けるポイントです。汁気が多いなら「おしるこ」、汁気が少なく小豆の粒がしっかり残っているなら「ぜんざい」です。
おしるこはこしあんや粒あんを水で伸ばして作った汁に、餅や白玉団子などを入れた料理です。「おしるこ」は江戸時代からあったと言われていますが、現在とは異なり塩気の強い味付けだったのだとか。甘味ではなく、お酒のおつまみだったと言われています。
一方、ぜんざいは小豆を砂糖で甘く煮て、餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れたもの。ぜんざいの汁気はかなり少なく、小豆の粒がごろごろ残っているのが特徴です。
水に小豆と砂糖を入れて煮て、汁を作る → ぜんざい
おしることぜんざいの由来
おしるこの名前の由来は、下記のように言われています。
- 江戸時代は乾燥した粉のあん(さらしあん)を使っていた→粉のあんこを汁状にしたもの→「汁」と「粉」で汁粉→「(お)しるこ」となった説。
- 江戸時代「しるこ」というのは、汁物の具材を表す言葉。小豆のあんにもちなどの具を入れた「餡汁子餅」という料理から「汁子(しるこ)」となった説。
ぜんざいの名前の由来は、2つの説が有力です。
- 小豆の汁に餅を入れたものを食べた僧侶が「善哉此汁(よきかなこのしる)」と言ったことが由来であるとする説。「善哉」とは「すばらしい、そのとおりだ」という意味の言葉。「善哉」を音読みすると「善(ゼン)」「哉(サイ)」。
- 出雲地方のお祭り「神在祭」で食べられる「神在餅(じんざいもち)」が、なまって伝わったという説。
関東と関西で異なる呼び方
おしることぜんざいは、実は地域によって呼び方が異なります。
関東では、小豆あんを使った汁物全般は「おしるこ」です。粒あんのおしるこは田舎汁粉(いなかじるこ)、こしあんのおしるこは御前汁粉(ごぜんじるこ)と区別しています。そして、お餅や白玉などの上に汁気のない餡を添えたものは「ぜんざい」です。
一方、関西ではこしあんを水と砂糖でのばして煮詰めたものを「おしるこ」、粒あんの場合は「ぜんざい」と呼びます。つまり、こしあんなら「おしるこ」、つぶあんなら「ぜんざい」です。また、関東で「ぜんざい」と呼んでいるものを、関西では「亀山」や「金時」と呼びます。
さらに、九州では餅が入っているものをおしるこ、白子団子が入っているものをぜんざいと呼ぶ地域もあります。
おしることぜんざいは地域やお店によって呼び方が異なるため、購入する際は写真や現物を確認する方が良いでしょう。
いずれにしても、おしることぜんざいは小豆を使った縁起の良いスイーツ。お正月にぴったりです。
京都のお正月といえば【花びら餅】
おしるこやぜんざいは全国で食べられていますが、「花びら餅」は知らない方もいるかもしれません。
花びら餅は、もともと京都でお正月に食べられていた和菓子です。近年は京都以外の地域でも年末から1月にかけて販売されているので、気になる方は購入してみては?
花びら餅とは
花びら餅とは、紅色の菱餅と白味噌のあん、蜜煮にしたごぼうを求肥(白い餅)で包んだ和菓子で、半月の形をしています。求肥からピンク色がほんのり透けてとても美しく、食べるのがもったいないと思うほど。
和菓子店によって見た目や味が異なるため、比べてみるのも楽しいですよ。
花びら餅の由来
花びら餅の由来は諸説あり、下記のように言われています。
- 平安時代に宮中で行われていた「歯固めの儀式」に用いる「菱葩餅(ひしはなびらもち)」に由来する説。
- 江戸時代に入り、歯固めの儀式で用いられていた大根や猪、押鮎などを模したお菓子が広まり、それが花びら餅の原型であるとする説。
- もともと鏡餅には塩漬けの鮎が添えられていた→餅に固い物をいれたお雑煮へと変化→餅と白味噌でお雑煮を、ごぼうを押し鮎に見立てたものが花びら餅となった説。
筆者は初めて花びら餅を見た時「お菓子になぜごぼう!?」と思いましたが、ごぼうは押鮎に見立てたものであると聞いて納得しました。
おせち料理にも使われるごぼうは、土の中にしっかり根を張るため「家(家業)が土地に根付く」や「長寿」を願う意味が込められている縁起の良い野菜です。来年のお正月は、花びら餅で健康長寿を願ってみてはいかがでしょうか。
北海道では定番【口取り菓子】
おせちの「口取り」といえば、紅白かまぼこや栗きんとん、伊達巻などが一般的です。しかし、北海道で口取りといえば「口取り菓子」のこと。北海道の口取りは、甘くてとっても美味しい和菓子なのです。
口取り菓子とは
口取り菓子は、鯛や海老などの縁起物の形をした生菓子(練り切り)です。練りきりの中にはこしあんが入っています。口取り菓子は寒天で艶やかにコーティングされ、色合いも鮮やか。とても美しい見た目をしています。
北海道では口取り菓子をおせちの合間に食べたり、お年玉に添えて渡したりするそうです。口取り菓子は甘みが強いので、温かい緑茶やコーヒーとよく合いますよ。
口取り菓子の定番
口取り菓子には、次のようなモチーフがよく使用されています。
・海老
・松竹梅
・さくらんぼ
・干支
2つが1対になったさくらんぼは、「夫婦円満」の象徴と言われています。
また、口取り菓子とよく一緒に売られているのが「三角羊羹」。「三角羊羹」は、名前の通り三角形の形をした羊羹です。三角形には邪気を払う力があるのだとか。小豆にも魔除けの意味があるので、邪気払いに効果がありそうなお菓子ですね。
口取り菓子の由来
お祝いの席にかかせない海老や鯛が入手しにくかった時代、お菓子で縁起物を作ったのが口取り菓子の始まりとされています。昔の冬の北海道で、おせちに必要な材料を揃えるのは、大変だったでしょうね…。お菓子で縁起物を表現しようと考えたところに、昔の人の遊び心や知恵を感じます。
口取り菓子は生菓子のため日持ちはしませんが、年末になると和菓子店だけでなくスーパーやコンビニでも購入できるそうです。価格もそれほど高くないので、北海道で年末年始を過ごす方はぜひ探してみてくださいね。
北海道以外の地域ではお店で買うことはできませんが、通信販売なら購入可能です。口取り菓子はSNS映えするお菓子なので、気になる方はぜひ食べてみてください。
まとめ
お正月におすすめのスイーツを4つご紹介しましたが、気になるものはありましたか?
同じ食べ物でも地域によって呼び名が異なったり、一部の地域で食べられていたものが全国に広まったり、よく知られた食べ物の名前がある地域では違う食べ物のことだったり…。食文化は本当に奥が深いですね。
ご紹介したスイーツはどれも手頃な価格。通信販売を使えば、買いに行く手間もなく便利です。興味のある方は、ぜひ一度食べてみてくださいね。
㈱オージーフーズ おせち事業部
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