食卓を豪華に彩るズワイガニ!
お正月にはおせち料理と一緒に食べるというご家庭も多いのではないでしょうか。ボイルされた後の鮮やかな赤色は見た目にも美しく、家族団らんの場を盛り上げる主役級の食材です。近年では度々重箱にも詰められるカニですが、豪華な食事を演出するだけでなく、縁起が担がれた食材ということをご存知でしたか?
こちらの記事では、おせち料理に入るカニの由来や縁起についてご紹介しています。
目次
高級食材の蟹!おせち料理とともに食べるそのワケとは?
お正月になると、おせち料理と一緒にカニを食べるというご家庭は多いのではないでしょうか。おせち料理だけでも豪華な食事ですが、そこにカニが登場すると場は一層盛り上がり正に新年の幕開けにピッタリな食材と言えるでしょう。高級品であるカニは贅沢な気持ちにさせてくれますが、実はゲンを担いだ縁起のよい食材でもあり他のおせち同様幸福な意味が込められています。
色や形などカニが持つ特徴からゲン担ぎされる海の幸。おせち料理にカニが並ぶ4つの由来について見ていきましょう。
その1 幸運のシンボル”ハサミ”
カニは古来より縁起のよい生き物と捉えられてきましたが、その理由は個性的な見た目と習性に由来するものとされています。
カニが持つ最大の特徴と言えば”ハサミ”ですが、このハサミを上下に動かす様子から幸運を招くとされ、また泡をふく様子からはお金が湧いてくると伝えられてきました。
その他、ハサミの形がアルファベットのVに似ている事から勝利を連想させるものとして、ポジティブな印象が感じ取れるといういわれもあります。
今昔物語集に記載されていることで有名な京都の蟹満寺では、カニが厄除けとして祀られています。常香炉や石碑には蟹のデザインが施され、良運の象徴として多くの人に親しまれています。
その2 子孫繁栄の象徴“卵”
おせち料理でおなじみの食材である魚卵には、家庭円満のゲンが担がれています。数の子やいくらは、子宝に恵まれ未来永劫子孫が繁栄するよう願いが込められていますが、カニの卵もまた子育てなど家庭を強く結びつけるという意味があります。
カニは子を育てる際卵をお腹に抱くことで外敵から守る習性があります。こどもを守るこうした姿が人間と似ているため、昔の人々はカニと人間は類似した点があることに気づき特別な意味を見出したと言います。
その3 赤色に染まる甲羅
カニは茹でると甲羅の色が鮮やかな赤色に変化します。日本では紅白がおめでたい色として定着していますが、紅には赤ちゃんの出生や勝利の意味をもたせており、カニの甲羅が真っ赤に染まる様子から縁起物としてハレの日の定番食材となりました。ズワイガニやタラバガニはもともと赤色ですが、カニの種類によっては緑色をした個体もいます。
茹でれば一様に赤くなるカニの殻には、アスタキサンチンという赤色色素とクラスタシアニンという青色色素が含まれており、これらの色素は体内で結合しています。しかし熱を加えることで2つの色素は分解され、調理後甲羅にはアスタキサンチンの赤色のみが表れます。
赤い甲羅は、合格の象徴として根付いていることも意外な豆知識でしょう。このいわれは中国文化に由来するものですが、その昔中国では官僚登用試験の合格者に一甲、二甲、三甲と成績を付けていました。甲とは甲羅を意味しており、合格のシンボルとしてカニが根付いたと言います。
その4 蟹の生態に霊性を感じた先人たち
カニは卵から孵化したのち、脱皮を繰り返すことで体が大きく成長します。こうした生態を見た先人たちはカニに霊性を感じ、特別な動物として考えてきました。霊性とは優れた性質や不思議な力を持つ性質のことを指しますが、脱皮という奇妙な光景に先人たちは“生まれ変わる”というスピリチュアルな感覚を覚えたようです。
転じて、私たち人間も日々新たな挑戦や目標達成に向けた努力を続けることから、カニの生き方になぞらえて信仰心を寄せることとなりました。
正月の定番!タラバガニとズワイガニとの違いとは?
正月をはじめ、ハレの日に登場するカニ料理。多くのご家庭で食卓に並ぶのは、ズワイガニやタラバガニではないでしょうか。カニは種類と性別によって旬の時期が異なり、また水揚げ量によっては価格が大幅に変動する海産物でもあります。
ブランドガニともなれば通年食べられるものではなく、値段も高値で取引されるからこそハレの日の御馳走として主役級のお料理になるのですね。
身が締まりプリっとした食感がたまらないカニですが、実は“カニ”と名前がつくもののヤドカリ科に分類されているのが、多くの人に人気のタラバガニです。8本脚と大きくふっくらした甲羅が特徴であり太い脚肉は実に食べ応えがあります。一方10本脚であるズワイガニはカニ科に分類され、細長い脚と濃厚なカニ味噌を楽しむ事ができるのが特徴です。
タラバガニはカニの王様、ズワイガニはカニの女王と称されるほどですが、一説にズワイガニは細い木の枝を表す楚(すわえ)という言葉がなまったものだと言われています。
最高級ズワイガニは500万で落札された!
2021年11月、石川県金沢市無量寺町のかなざわ総合市場で初競りが行われた際に、とんでもない高値で競り落とされたズワイガニがいることをご存知ですか?その値段は何と500万円!カニが特産品の石川県では、漁業協同組合によりズワイガニの高級ブランド”輝(かがやき)”が新設されましたが、そのなかでも特に立派だった1匹にこのような値がつけられました。
大きさは甲羅の幅15.6cm、重さ約1.88kgとあり、値段もサイズも規格外の大物に県内のみならず国内でも大きな話題を呼びました。実は500万円と値が付いたズワイガニは”輝”だけではありません。2019年鳥取県の鳥取港で水揚げされた”五輝星”というカニもまた同価格で競り落とされ、こちらは「競りで落札された最も高価なカニ」としてギネス認定を受けました。冬の味覚にこれほどの値が付けられるカニは、人々のお腹も心も大いに満たす特別な食材なのです。
蟹は幸運の象徴だった
いかがでしたか?高級食材としてハレの日に登場するカニには、幸運をもたらすゲンが多く担がれており人々の気持ちを高める貴重な海の幸でした。カニの生態や習性を見た先人たちは、摩訶不思議な生き物に霊性を感じ信仰を寄せたということで、現在ではその名残が残り、家族が集まるおめでたい日に食卓に並ぶようになりました。
高級ズワイガニは一匹数万円するものですが、2021年に金沢で行われた初競りでは1杯のズワイガニに500万円の根がついたというから驚きます。過去にも1杯70万円から200万円と価格が高騰したことから希少性の高さは折り紙付きです。
高級品だからこそ、大切な家族と一緒に食べるとより一層美味しく味わえるカニ。お正月には団らんを楽しみつつ、幸運を引き寄せるその由来について考えてみるのも面白いかもしれません!
㈱オージーフーズ おせち事業部
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