田作り(たづくり)は、「田んぼが豊作になるように」という五穀豊穣の意味が込められています。田作りは、小さなカタクチイワシを干した乾物を炒って甘辛いタレに絡めた料理で「祝い肴」としておせち料理に入れられ、尾頭(おかしら)付きという意味でも、縁起が良い一品とされています。
「田作り」の意味や由来を知る事で、「目立つ存在ではないけれど、おせちに欠かせないものとなっているのはなぜ?」という疑問も解決すること間違いなし!これを読めば、きっと田作りのことをもっと好きになりますよ~♩
目次
おせちの田作りって一番の脇役と思っている方、多いのではないでしょうか?
どうして田作りはおせちに入っているの?おせちに入っている意味は何?と思っているそこのあなた!
実は、田作りはおせちの隠れた主役なのです!今日は、みなさんの田作りへの考えを覆していきますよ~!
田作りはおせち料理の「祝い肴(ざかな)3種」のうちの一つ!
祝い肴とは、最低限お正月を迎えられ、祝うことができる、これがなければ始まらない!とされるお品の事。
関東と関西など地域によって該当するものが違うものの、田作りは関東の祝い肴にラインナップされています。
- 関東……黒豆・数の子・田作り
- 関西……黒豆・数の子・たたきごぼう
地域によって違いはあるのですが、田作りもなくてはならない食材という事がわかったでしょうか?
ちなみに、私がお正月に愛知県へ行ったとき、大きな煮干しの袋が置いてあって、その煮干しで田作りを作っていました。ごま油で炒めるいい~香りと、お醤油の香ばしい匂いが印象的でした。
こんなに山盛り作って、何日かけて食べるんだろ~と思っていましたが、いつの間にかポリポリと手が伸びて……。あっという間に終わっていました。やめられない止まらない、とはこのことですね!
田作りの意味とは?
田作の意味を知っていますか?
田作を大辞典で調べてみると……
《「たつくり」とも》
1.田を耕すこと。また、その人。
2.ごまめ。昔、田の肥料にしたことからの名という。正月の祝い肴(ざかな)にする。と出ています。
「田をたがやす事や人」とあるように、昔、イワシは畑の肥料として使われていたそう。
当時、イワシの肥料は田んぼで使われる肥料の中でも高価なものでした。
この肥料を使った田んぼは豊作になることが多かったそうです。今を考えると、畑の肥料にイワシを使っていたなんてなんだか贅沢ですね!
上記の事より、豊作を呼ぶ肥料が「イワシ」だったことから、イワシの甘露煮は田作りと呼ばれ、五穀豊穣を祈願して食べられるようになり、お祝い料理の一つになったそうです。
尾頭(おかしら)付き、というところでも縁起の良い一品だったんですね!
ごまめと田作りの違いとは?
※写真は、弊社おせちに使用している商品です。
田作りに使われている魚の名前、ご存じですか?
イワシの種類の中でも「カタクチイワシ」という日本でも漁獲量が多い魚を使って作られています。イワシの稚魚は何か知っていますか?
みなさんにとってもおなじみの「ちりめんじゃこ」や「しらす」です。イワシが大きくなる前の稚魚を私たちはよく食べています。
田作りはしらすよりも大きなサイズのものを選定して使っているそうで、同じ種類だったとはビックリですよね……!
田作りという名前になじみのない方は、「ごまめ」といっているのでは?
関西では田作のことを「ごまめ」という人もいるそうです。
おせちの事を調べていくとあるある話ですが、地域によって呼び方が変わるのは面白いですね。
田作りは”栄養の宝庫”!!
こんな小さなおさかなにも、栄養がたっぷり含まれているのご存知でしたか?
カタクチイワシには、たんぱく質、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB12が豊富に含まれています。
もちろん、魚介類に多い「DHA」も含まれており、栄養価が高い食材でもあります。
なんとなく、小魚は”体に良い”というイメージだけでイヤイヤながら!?(……いや、おいしいですよ!)食べていましたが、カルシウムもとれて、子供のおやつとしてもいいかもしれないですね!
田作りのアレンジレシピをご紹介します!
昔ながらの田作りもいいけど、ちょっと味を変えてみたいと思っている人いませんか?シンプルだからこそ、アレンジも自由自在!
今回は、田作りの定番のアレンジと、ちょっと変わった洋風お菓子風アレンジをご紹介します。会社のキッチンを借りて、実際に私が作ってみましたよ♩
是非、いろんな食べ方楽しんでくださいね。
食感アクセント♩サクサク くるみとナッツの田作り
くるみやアーモンドなどのナッツ類は女性にも人気!田作りとの相性も良く、心も身体もおいしさ倍増です。
1.レンジでいりこ(60gくらい)をカリカリになるまで水分をとばす。
2.フライパンに調味料(砂糖大2、みりん大1.5、醤油大1.5)を入れて中火にかけてぐつぐつするまで煮詰める。
3.弱火にしていりこと、好きなだけお好みのナッツ類(くるみやアーモンド、ヘーゼルナッツなど)を加えてからめる。
4.くっつかないようにクッキングシートに広げて冷ます。冷めたら香ばしいおやつの出来上がり♩
あま~い香り♩マシュマロバター田作り
子供もおやつ感覚で食べたい!ありそうでなかった、田作りの香ばしさとバターとマシュマロの香りがやみつきに!
1.レンジでいりこ(60gくらい)をカリカリになるまで水分をとばす。
2.熱いフライパンにバターひとかけらとマシュマロ3個を溶かし、半分溶けたらいりこを入れる。
3.さっと混ぜあわせ、クッキングシートに広げて冷ます。さめたらサクサクのおいしいおやつに♩
まとめ 田作りの意味・由来に納得~
以上、今回はおせちに欠かせない一品、「田作り」についてご紹介しました。
「田作り」はその昔イワシを畑の肥料として使うと豊作になるという事から
・五穀豊穣願うという意味が込められていることが分かりました。
・原料のカタクチイワシが尾頭(おかしら)付きという事でさらに縁起を担いでいるという事です。
実はものすごく意味のある、縁起の良い一品だということがおわかりいただけたでしょうか?
おせち料理の中でも地味な食材ではありますが、シンプルだからこそ素材の良さものをいう一品なのです。今年は田作りでお正月をたっぷりご堪能いただきたいなと思います。アレンジもお楽しみくださいね♩
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