柔らかく煮た里芋って、おいしいですよね。見た目に派手さはないけれど、おせちの里芋にもちゃんと意味があります。
今回は、おせちに里芋が入っている意味やおせちの里芋料理についてご紹介します。
目次
おせちに里芋が入っている意味は?
とろりとした独特の食感で、ほっと安心させてくれるような優しい味。里芋の煮物が好きな人も多いでしょう。
そんな里芋は、秋から冬にかけて旬の食材で、イモ類のなかでは低カロリー。縄文時代から日本で栽培されているそうですよ。(参考サイト:JAグループ サトイモ)
そんな伝統ある食材、里芋がおせち料理に使われる理由は、収穫前の里芋の様子にあります。里芋は種からまくのではなく、前の年に収穫した里芋をもとにして栽培されます。芋を土に植えると、新たな芋ができるのです。これを「種芋」といいます。
里芋は種芋にたくさんの子芋・孫芋がつきます。私たちが食べているのは、主に子この芋・孫芋の部分です。この様子から、子孫繁栄や子宝に恵まれますようにとの願いが込められています。里芋の丸い形を「家庭円満」のイメージ(仲良く=和)とする地域もあるそうですよ。
また、おせち料理に、里芋の一種「八つ頭(ヤツガシラ)」を使う場合もあります。八つ頭は里芋より大きく、ごつごつした不思議な形をした芋です。名前に末広がりの数字「八」がついていて縁起が良い・人のトップ(頭)になれるようにという意味があります。里芋より粘り気が少なく、ほくほくした食感でほんのりとした甘みがあるのが特徴です。
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おせちの里芋料理
おせち料理では、里芋を煮物にするのが一般的です。主に3つの里芋料理があります。具体的にご紹介しましょう。
筑前煮に入れる
筑前煮はもともと福岡の郷土料理ですが、全国に広まり、おせち料理に入れるようになりました。筑前煮は、煮る前に炒めるのが特徴。油でいためることで「コクが出る・煮崩れしにくい・あくが出にくい」などのメリットがあります。
里芋以外に、鶏肉や根菜類、こんにゃくを入れることが多いようです。
含め煮にする
含め煮とは、多めの煮汁で味がしみこむまで時間をかけてゆっくり煮る方法です。里芋や大根のように、硬くて火が通りにくい食材や味がしみにくい食材に向いています。薄めの味付けの煮汁で煮るため、素材の色を生かすことができるのが特徴。上品で優しい味わいに仕上がります。食材に火が通った後、煮汁につけたまま冷ますと、味がしみてより美味しく仕上がるそうですよ。
含め煮は里芋の色合いがきれいに仕上がるため、華やかなお祝いの席にぴったりです。ゆずをそえると美しいですね。
色々な具材の入った煮しめにする
煮しめは「煮しめる=煮汁がなくなるまで煮る」という料理方法です。いわゆる煮物のイメージですね。全体的に茶色っぽい色合いで、味がしみてしっかりとした味付けになります。ご飯のお供や酒の肴にぴったりです。
食材も野菜や鶏肉、魚など、多岐にわたります。煮しめの具材や味付けは、地域や家庭によっても違い、煮しめの定番はありません。いわゆる「おふくろの味」というべき料理です。
おせち料理として、里芋を他の食材と一緒に煮しめた場合、たくさんの食材を入れて一緒に煮ることから、「家族仲良く」という意味があります。また、薄口しょうゆや塩、白だしを使って里芋の色がきれいに残るようにする場合もあります。
おせち料理で里芋を使う時は
おせち料理で里芋を使うなら、ぜひ美味しい素材を選びたいですよね。美味しい里芋の選び方や里芋にまつわるワンポイントアドバイスをご紹介しましょう。
里芋の選び方
新鮮で美味しい里芋を買うためのポイントです。
- 土付きで表面に湿り気のあるものが、鮮度が良い。
- 縞模様が均等で、ふっくらとして丸みのあるものが美味しい。
- 赤い斑点部分はゴリゴリとした食感で硬い。煮る前に取り除いておくと良い。
- 里芋はそれぞれの芋がくっついてできるため、スーパーで売られているものは親芋とカットされている。その断面が白くみずみずしいと新鮮な証拠。赤や茶色に変色しているものはNG。
里芋を料理する時
里芋を料理する時の難点は、手がかゆくなること。この里芋独特の扱いにくさを軽減する方法があります。
- 調理前、手に塩か重曹をつけておく。
- 里芋を洗った後、表面が乾いてから皮をむく。
- 3分ほど茹でるかレンジに3分程度かけると、つるりとむける。その後料理に使う。
いつもより里芋の下準備がラクになるはずです。ぜひ試してみてください。
里芋が余った時は
おせち料理に使う里芋が余ってしまった時は、別の料理に変身させて楽しみましょう!里芋は味や食感が他の食材となじみやすく、様々な料理にアレンジ可能です。
里芋コロッケ
ジャガイモの代わりに里芋を使うだけです。とろりとした食感とほんのりした甘みが美味しい!コロッケのサクサク感と里芋のまろやかさの対比が絶妙です。ジャガイモを使うよりカロリーが低いのもうれしいポイントですね。
里芋サラダ
茹でた里芋を冷まして、お好みの味付けでいただきます。ポテトサラダのようなマヨネーズベースのこってりサラダはもちろん、塩と胡椒でシンプルにいただくのも美味しい。ツナや鰹節を入れるのもおすすめです。
里芋グラタン
クリーミーなグラタンに仕上がります。里芋のとろりとし食感とチーズのコクが合わさって、いくらでも食べられそうです。ヘルシーなグラタンにしたい時は、ホワイトソースを使わずに、里芋のとろみと豆乳で代用するのがおすすめ。美味しい和風グラタンになります。
まとめ
おせち料理の里芋には、「子孫繁栄」や「家族円満」の願いがこめられています。そんなことを聞くと、家族や友人と一緒に食べたくなりませんか?普段煮物を作らない人も、一度チャレンジしてみてはいかがでしょう?ぜひ、里芋の優しい甘みと独特のなめらかな食感を楽しんでくださいね。
㈱オージーフーズ おせち事業部
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